大会長挨拶

大会長 剣持 敬

第58回日本移植学会総会
大会長 剣持 敬(藤田医科大学医学部 移植・再生医学 教授)

第58回日本移植学会総会を2022年10月13日(木)~15日(土)の3日間、名古屋観光ホテル(名古屋市)で開催することになりました。伝統ある本会を主催させていただくこと大変光栄に存じます。開催テーマは「移植学創生」~サイエンスとしてのTransplantology~といたしました。移植医療は臓器を提供いただくドナーがいなければ成り立たない医療であり、それゆえ純粋な医学に加えて、倫理学、社会学などの他の学問や行政、政治などにも関わる医療です。私も臓器移植法の成立、法改正の際には、日本移植学会の一員として、議員への陳情をしました。また現在も移植医療実施においては、厚生労働省の指針が必須であります。

もちろんこのような移植医療のシステム作りは本学会の重要な役割ですが、同時にアカデミアとして、臨床研究、基礎研究を通して、移植成績の向上に寄与して行くことが、本学会の主目的と考えます。そのためには、本学会のみでなく、関連する学会、研究会との連携も重要です。本会では、多くの学会、研究会とのジョイントで、シンポジウムやワークショップ、セミナーを企画しています。また、再生医療への移行も見据えた基礎研究の発表も広く募集いたします。本会全体で、サイエンスとしてのTransplantologyの形が見え始め、移植学創生につながることを切に望んでいます。

2020年、2021年は新型コロナウイルス感染症の地球的パンデミックのため、人々の生活が根本から変わりました。一日も早い終息を願っておりますが、コロナ禍においても臓器提供、臓器移植が行われ、本学会でも新型コロナウイルス感染症対策として、移植患者さんや医療関係者に対しての指針やQ&Aの発信、互助制度による臓器提供、搬送、移植のプロセスの改革等を行っております。これらの成果として、ポストコロナのニューノーマルとして、新しい移植医療の実現が本学会の使命であると考えます。

現在は、名古屋観光ホテルでの現地開催に向けて鋭意準備中ではありますが、来年の状況により開催形式は柔軟に決定してゆきたいと思っています。2022年10月には、皆様を名古屋に迎え、多くのご発表、活発な議論に加え、名古屋めしでの会食等、安全な夜の街でのひと時を過ごしていただけることを願っております。

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